一昨年から1年半「ひらめきのタネ」というWebマガジンでコラムを書かせてもらいました。
ここのブログでも毎月再掲させて頂こうと思います。
2月は「材料を選ぶこと」素材について書いています。
住宅を設計する時、材料を考えます。
柱や梁など構造に関わる材料や、床や壁など仕上げに関わる材料など、 たくさんの材料を使って住宅は出来上がっています。
コンクリート、木、鉄、タイル、ガラス、左官、ペンキ…… などなどいくつあるでしょうか?
工業化が進んだ今の時代ですから、性能が安定して汚れにくく掃除がし易い便利な材料が主流です。
最近、出来上がる多くの住宅が、なんとなく同じように見えるのは、 同じような材料を使って作られているからかもしれません。
私が気にしていることのひとつは「なるべく本物を選びたい」ということです。
タイルはタイルらしく、金属板は金属板らしく使いたいな、と考えています。
野菜や果物なども産地だけでなく「農家の〇〇さんが作りました」
なんて、表示されて売っている事があります。
住宅の材料でそんな事が出来るかどうか難しいと思いますけど、出来たら楽しいと思いませんか?
以前、栃木に石を切り出す現場を見に行きました。 「深岩石」という、昔は塀や踏み石などによく使われた材料です。
山から石を削り出し、選別して、大きさを整え、使える状態に仕上げる。 職人さんの仕事です。 そんな様子をみてしまうと、その石を大事に使わないとな…と感じてしまいます。
丁寧に育てられた食材を、料理人が美味しい料理に仕上げる。 設計者も同じような事が役割なのかもしれませんね。
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