住宅の設計をしていると、色々な土地に巡り会います。
開発された分譲地なら正方形や長方形の土地で、高低差もなくて楽に設計ができそうです。
一方、難しい土地というのがあります。
住宅密集地でよく目にしますが、道路から巾2Mほどの路地を通って建物の建てられるスペースにたどり着く敷地。
これを「旗竿敷地」と言います。
敷地の周囲に建物が密集して建っているので、暗くなりがちで、設計者はどうやって光を取り込むか腕の見せ所です。
また、別荘地や郊外では、敷地が斜面になっていたり、崖になっていたりと、
3次元で考えないと解決しない敷地もあります。
富士山の見える甲府市で、今から7年前に完成した住宅は、元々ぶどう畑だった所に建てました。
敷地が30度ほど傾斜した斜面地の上、道路と敷地の高低差が3Mほどありました。
それだけでも難しい土地なのに、住まい手からは、「斜面を生かした設計をして欲しい、
富士山も見たいし、庭とつながる工夫も欲しい、、、」と無理難題をリクエストされました。
一番簡単なのは、斜面に土を盛ったり削ったりして、平らな場所を作り、そこに家を建てることです。
でも、それだと面白味がなく、リクエストに応えたことになりません。
何ヶ月も考えて、たどり着いた答えは、、、、、。
まず建物をL型にして、更に斜面に対して建物を斜めに置く、、、、。
なにを言っているか分からないと思います。(書いてるほうも分からなくなってきました・笑)
要は、富士山がキチンと見えて、1階のリビングから楽に庭にアクセス出来る方法を、時間を掛けて検討したということ。
図面だけでなくて模型を作ったり、なかなかの苦労でした。
それでも完成してみると、富士山も甲府盆地もバッチリ見えて、
庭ともつながることができて、「良かったな・・・」と嬉しい瞬間が待っていました。
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