リノベーションの事例です。

面積が大きめな戸建ての家ですが、高齢のお母さんがひとりで暮らしていました。
このリノベーションでは、娘さん家族が同居するに当たって、その御家族が2階で暮らせるように依頼を受けたのでした。
お母さんの暮らしは1階でそのまま維持しつつ、2階で家族4人が暮らせるイメージです。
もともと2世帯住宅を想定して作られてはおらず、2階は個室が5部屋、書斎、クロゼットが配置されていました。ただラッキーだったのはトイレだけでなく、洗面室と小さめですが浴室も設けられていたことです。LDKを作れば2階で生活が完結出来そうでした。
最初の相談を経て、どこのエリアをLDKとするのがベストなのか、基本的な部屋の配置計画(ゾーニング)から検討をはじめています。
結果、採光の条件や1階からの動線、家族構成や工事のしやすさなどを考慮して、元々メインベッドルームだった場所とそれに隣接する書斎とクロゼットを作り替えてLDKにすることになりました。


既存の内装は全体が濃いめの茶色、どちらかというと重厚感があるデザインでしたから、新しく作るエリアもそれに合わせるという発想もあったのですが、建主さんの好みはもう少し明るい方がイメージに合うとのことで、LDKの扉を開けると雰囲気が切り替わるというコンセプトとしました。


フラットな天井でしたが一部を解体して構造の梁を現しにし、断熱材の位置を屋根直下まで持ち上げ、性能は維持(向上)しながら、開放的な部屋にしています。
キッチンは家具屋さんの仕事で、使い勝手やサイズ感を住まい手にフィットさせています。
床はナラの無垢材とし、壁はローラー漆喰、一部にアクセントで松の縁甲板を貼ってみました。
全体のトーンは明るい雰囲気でまとめています。

ホームページの【リノベーション】のところからもう少し写真をご覧頂けます。 ⇒ 東寺尾の家
既存の住宅にある程度の性能(耐震・断熱など)がある場合は、意匠的なことに集中してリノベーションを実施することも可能です。とは言え、戸建ての場合は多少の断熱性向上とか、壁の補強などは発生してしまうことが多い気がします。
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