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せかいのおきく

スタッフの有馬です。


先日、映画・「せかいのおきく」をギリギリ映画館で見ることができました。

江戸末期の循環型社会を描いている映画、とも紹介されていましたが、

登場人物達の生活や青春を描いたストーリーは見た後に清々しい気持ちになれる、とても良い映画でした。

主な登場人物は、武家育ちだけど今は浪人となった父と二人で貧しい長屋暮らしをしているおきく、

町で糞尿を買い、それを肥料として農村で売る仕事・下肥買いの矢亮、

元紙屑買いですが、矢亮との出会いから下肥買いになる中次、の3人の若者です。

江戸時代の長屋や農村の人々の暮らしの様子、船を操って河を渡る風景、季節の移ろいなど、

白黒の映像がとても美しく、つい、「良い時代だなぁ」と、映像の雰囲気に引き込まれるのですが、

一瞬、効果的にカラーの映像に切り替わる場面が時々あって、その時は「そうだ、臭くて汚くて、寒くて、つらく厳しい環境だったんだ、、、」と現実に引き戻される感覚も感じることができて、見た後もしばらく映画の余韻が残りました。

江戸の末期なので、価値観も大きく変わろうとしていた時代の話。

排出物が肥料となり、その肥料で育った食物がまた体内に入って循環される、という話しから始まりますが、人の生死や世代交代、時代の流れや意思の変化、など

個人〜せかいのレベルまで淀みなく流れ続けるということ、を感じられる映画でした。


私は、時々ヨガのレッスンに行っているのですが、

この映画を観て、ヨガの先生のお話しも思い出しました。

それは、「執着しない」というお話しです。

ヨガ哲学で色々な解釈があると思いますが、

執着する気持ちから、それを失う不安や恐れが生まれてしまうという考えがあるようです。

執着を手放すことで気づけることや新しく入る物がある。

整理整頓や収納計画にもつながる考えだと思いますが、

悩んだり気持ちが落ち込んだ時にも、風通し良く、淀まず、流れていく、

という感覚を思い出して、気分転換ができれば良いな、と思います。


また、やっぱり映画は映画館で見るのが楽しいな、とあらためて感じました。

今回はミニシアター規模で、なぜか私より先輩世代が多かったのですが、

一緒に見ていた人達の、「ああ”〜」とか「うわっ」、「そうそう」、「うんうん」など、驚きや相づち、笑いや悲しみなど、

色々な感情に反応するリアクションにも共感できて、より映画を楽しめた気がします。

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