街が均質化する話し

一昨年から1年半「ひらめきのタネ」というWebマガジンでコラムを書かせてもらいました。

ここのブログでも毎月再掲させて頂こうと思います。

11月は「街が均質化する話し」というタイトルで、普段いつも気になって仕方ないことを書いています。(2020年12月の記事です)

私の事務所は横浜の桜木町にあります。 JR根岸線の線路を境に海側は「みなとみらい」地区で近代的な高層ビルが建ち並びます。 反対の山側は「野毛」「日ノ出町」と呼ばれる古くからの飲み屋街があります。

「野毛」は戦後「闇市」などで賑わい、今では600店とも言われる飲食街の街です。 賃料が安いらしく、個人商店が多いのが特徴で、中年のおじさんだけで無く、 若者や女性にも人気だそうです。風変わりなお店も多いので、探検すると楽しい場所です。

ところが、最近、小さなお店が撤退し、チェーン店が目立ってきました。 人気が出ると賃料が上がり、家賃が払えなくなり小さなお店は閉めて、 替わりにチェーン店が入ってくるんだそう。

チェーン店はどこに行っても安心クオリティで、美味しいものが間違いなく食べられます。 そう、野毛でも横浜でも、東京でも、仙台でも、札幌でも……沖縄でも。 せっかく特徴ある街が出来て来ても、こうしてどこもかしこも同じ看板が並んでしまいます。

電車も、終着駅がなくなって、相互乗り入れでどんどんつながっています。 その街、沿線の特徴も無くなって、コピーされたような駅前が作られていきます。

そんな様子を見ると、自分の仕事もどうなってしまうんだろうと考える事があります。 特徴のある設計をして、面白い家を設計していても、ある時、平均的で性能の高い家づくりに 取って代わられてしまわないか。

それでも、きちんとした美味しい料理を出すお店は、元気に生き残っています。 そんな設計者になりたいな…… と思うのでした。